DMNとは、「デフォルトモードネットワーク」(Default Mode Network)の略称で、脳の機能ネットワークの1つです。DMNは、人が外部のタスクに取り組むのではなく、自己関連の思考、内省、回想などの内的な活動を行うときに活発化することが知られています。
DMNは、大脳皮質の前頭前野、側頭葉、後頭葉、頭頂葉、帯状回などの複数の脳領域にまたがって存在します。DMNを構成する主要な脳領域には、前帯状皮質(anterior cingulate cortex)、後帯状皮質(posterior cingulate cortex)、側頭前皮質(lateral prefrontal cortex)、後頭部(precuneus)、側頭頭頂部(temporoparietal junction)などがあります。
DMNは、様々な認知機能に関与しており、自己に関する情報処理、自己と他者との関係の認識、情動的な処理、社会的な理解、自己の価値観や信念の形成などが含まれます。また、DMNは、注意や作業記憶などの他の認知機能とは対照的に、リラックスした状態で活発化することが知られています。
DMNは、神経精神疾患や加齢に伴う認知機能の低下などの様々な状態に影響を与えることが示唆されています。近年の研究では、DMN活動の変化が、うつ病、アルツハイマー病、自閉症スペクトラム障害などの神経精神疾患と関連していることが示されています。